逃避

ただいま、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(以下、L&G映画祭)開催中。
でも、今年は行かない。


L&G映画祭に行くと、なんだか罪悪感のようなものを感じてしまう。


L&G映画祭と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、2ちゃんにある「映画しか友達がいないやついる?」っていうスレッド。
1名で来て誰とも話さず、帰ってからも誰とも語らない。語れる相手がいない。
それでもそんな映画ヲタは、映画が好きで、もしかしたら映画館や映画祭も好きで、映画を観る。


L&G映画祭の会場は、他の映画祭とは違う雰囲気を感じる。
見るともなしに客席の様子をを見る。
椅子の座り方、私語をやめるタイミング、携帯電話の電源を切るタイミング。
映画慣れしていないことから、普段映画館に来ない客層が多いと判断できる
ロビーで楽しくはしゃぐ客の多さ。
出展ブースの店員と顔なじみで談笑する客の多さ。
楽しそうね。
年に一回、レズビアンやゲイであることを大っぴらにして羽根を伸ばせる映画祭。
レズビアンやゲイが、遠慮なしに楽しめる映画祭。
セクシュアル・マイノリティであることが、逆にマジョリティの要件になる場所。


でも、他の映画館や映画祭って、映画ヲタというマイノリティであることが、逆にマジョリティの要件になる場所なんだよね。
L&G映画祭は、L&Gに圧倒されてそうじゃなくなってると思う。
他の映画祭例えば、ドイツ映画祭とかでドイツ語を学んでるらしい若い学生さんが少し高揚気味だったり、でも別に「この映画祭は自分たちのもの!」って態度ではないよ。
もっともL&G映画祭はまさにL&Gのものなんだろうけど、でも、でもねえ…。


映画祭でのL&Gの楽しそうな様子は、これって例えば、ビアンバーやゲイバー(観光バーは除外)に大挙してヘテロがやってきてLやGを馬鹿にして盛り上がってるような不快感に近いものを感じる。
バーでの、LorGに対する傲慢ヘテロ
L&G映画祭での、映画ヲタに対するL&G。
なんか、遠慮がないのよね。
かといって、L&Gに遠慮しろっていうのも何か違うと思うし。


それでいながら、L&Gサイドにも付けてしまう自分に、後ろめたさや罪悪感を感じてしまうの。


今年は行かない。後ろめたさからの逃避。